道具一つで料理の味が変わるらしい
とあるTV番組を見ていたところ、プロの料理人が「調理は道具で味が変わりますよ~。これは道具が良いからおいしいのです(笑)」と言っていた。
本当?職人さんがそんなこと言っちゃっていいの?TVで言うくらいだから多少は謙遜が含まれるものの、道具で味が変わるってこともあるのだろう。
そういえば母親が「この重い鉄のフライパンでホットケーキを焼くとおいしいのよ」と、味のわからない子供の頃の自分によく言っていた事があった。当時は「そんなことより早く焼いてください。」としか思っていなかったが、そういうものなのだろうか?
普段からそんなに料理をする方ではないので料理の道具と言えば、「週末の料理はお父さんに任せなさい」用の中華鍋を一つ持っているだけで、焼きそばと野菜炒めぐらいしか作らない。
ん~ 先日 エレクアライズで行ったキャンプも楽しかったし、この際なのでキャンプ用品で良い道具を買ってみて、ひそかにおいしく調理して「なにこれ!うまい!!」と言わせてみようか。
道具で味が変わるというのなら、名刀で切ったら食材の味も変わるのだろうか?
キャンプと言えば肉料理
まずは何を買うかという所だが、キャンプと言えば肉料理!これに尽きると思います。
そこで、うまい肉の定義とは?なんぞや?を調べてみることにした。
・やわらかい
・うまみを閉じ込める焼き加減
・おいしそうと思わせる見た目
ふむふむなるほど。これらをすべて表現できるような道具を買えば良いわけだ。
それにしても、おいしそうと思わせる見た目といったら やっぱり
ギャートルズの肉ではないだろうか?
とはいえ、これはさすがに道具どうこうで表現できるレベルではない。
楽天市場、Amazonで評判の良さそうな商品を洗い出してみる
まずは調理器具の人気商品でも見てみようと、Amazonで調べてみると物凄くたくさんの種類の調理器具が出てきた。
探し始めて1分もしないうちにカッコいい包丁を発見!
うほぅ かっこいい。
うちにも ぜひ一振り欲しい。
妖刀のような怪しい輝きを放つ刃の部分に一目ぼれ。
日本刀は、不純物を取り除くのと、さびないように還元のために熱した和鉄を「半分に折っては叩いて」を繰り返すのだとか。そうなると1枚を半分に折って叩いてを20回以上繰り返すから、2の20乗~という事になるので、何百万層という層に・・・・などと見惚れていたら、あっと言う間に30分が経過していた。いや~最近 刃物系女子?とか、なんだか物騒な名前の女子が増えているというが、日本刀に惹かれるのもわかる気がする。
うまい料理が作れる調理器具を探すといったところから始まったはずなのに、1時間後に見ていたものは
このありさま
包丁 ⇒ 刃物 ⇒ 江戸時代 ⇒ 昔話 ⇒ 牛鬼 ⇒ 鬼刃 ←今ここ
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包丁一つで1時間。こんなことやっていたら1年あっても時間が足りない。
そもそも男のロマンにつながりやすい刃物がいけない。一度刃物から離れるべきなのだ。そんなに鋭利な刃物が欲しいのなら、手術用のメスでも買って、食べる時にスカッと切ればよいのだ。
話を肉に戻し、いろいろな調理器具のレビューを読み漁っていると、どうやら肉を焼く前に下ごしらえとして筋切りを行い、肉を一気に高温で焼くととてつもなくおいしく肉が焼きあがるという事が「東京都の通りすがりさん」の熱心なレビューで分かった。ありがとう、東京都の通りすがりさん。
いろいろ調べているとどうやらグリルパンなるものが、ドラえもんの道具のごとく、ただ焼くだけで何でもおいしくしてくれるらしい。焼き面の 表面が波形になっていて 凹凸しているフライパンで、鉄が分厚いので強火で調理ができるとのこと。素人でもこれを使えばおいしそうな焼き目を簡単に再現できるのだとか。
というわけで購入商品はコチラに決定。
LODGEのグリルパン と ミートソフター
それにしてもミートソフターの見本の画像が気になる。やわらかくする必要なんて皆無と思えるぐらい上等な肉を使用しているが…。このような肉を食べる人は「グラスジョー」と呼ばれつつも、その老獪なテクニックで歴戦のボクサーたちをなぎ倒しタイトルをとるまでになったが、やはり打たれ弱さが災いし周りからは惜しまれつつも一線を退くことを余儀なくされた。一時は、酒にも溺れ、泣かせた女は数知れない。しかし、元来の明るさからボクシングの実況中継を任されることも多く、それなりに生活も豊かになった。そんな彼が送るつつましい生活の中でも唯一、彼がタイトルをとった記念日にのみ、ボクシング人生で酷使したアゴをいたわるために厳選した肉であり、柔らかさをどこまでも追求する為に彼はミートソフターを手にする。そんな一幕をたまたまとらえた画像に違いない。
このミートソフター まさかやわらかい肉用ではないだろうな・・・。普段食べているゴム草履のような肉でも通用するのだろうか?買う前に店舗に相談するべきだったかもしれないが、もう楽天で注文してしまった。
到着&使用レポート
全体がプラスチックでできているので軽い。大きさは、握力測定の器具より一回り小さいぐらいのサイズで非常に握りやすい。セーフティー用に下部にはめるキャップがついているのが良心的。
初めてミートソフターなるものを使ってみたが、なかなか使いやすい。
作法や正しい使用方法が書かれていないので、とりあえず肉の端から端まで ザク ザクっとスタンプを押すように使ってみた。 最初に肉に対して右から左まで万遍なくやり、その後 上から下へ向かって使用。 肉を裏返して同じ工程を繰り返し、途中で「肉が蛇腹になるかな?」と思ったが 大丈夫だった。
洗うときに下の台座を外すのだが、洗剤で滑りやすいので注意が必要。
ミートソフターなので手を滑らせて指にでも刺してしまったら 指が柔らかくなってしまうので 注意が必要。
お店 |
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商品画像が多く、よくわからないで購入する筆者にとってはわかりやすくありがたかった。 |
商品 |
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プラスチックがちゃちくなく、ずっと使えそうなうえ手入れもしやすい。 |
価格 |
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楽天の店舗が最安値だった。最近amazonよりも楽天の方が価格が安いお店が多い気がする |
満足度 |
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取り回しのしやすさ、サイズ、強度、セーフティー用のキャップ すべてにおいてバランスが良いと思う |
その他 |
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こういった商品は、使用方法が箱にも記載されていないことが多いので、使用方法をお店から知らせてほしい。 |
備考 |
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先ず、重さにビックリ。よく映画などでフライパンで暴漢を叩いて伸びさせるシーンがあるが、この重さなら納得。テフロンの軽いフライパンしか知らなかったので実感が無かったが、これからは、「そうでしょう そうでしょう」と気持ちを入れてそんなシーンも見れるようになるという、人間としての厚みを増す効果もあるのがこちらのフライパンの最大の特長。
重さを考慮して持ちやすいように取っ手の反対側に持つためのでっぱりがある。(たぶん)
LODGEの製品は「面倒な空焼きを家でしなくても良いように、工場で済ませてあります」と鉄鍋特有の面倒な処理が必要ないのが◎。
こういった製品は洗剤で洗わないので、水を流しながら、たわしでガシガシとこすって洗うのだが、かなり重いので台所のシンクに傷がつきやすそう。そのあたりは中華鍋よりもかなりケアしないと、嫁さんの頭に角が生えてしまう。
お店 |
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最安値だったが商品説明がまるで書かれておらず、他で調べてから戻ってきてこちらのお店で購入。情報が少なすぎで× |
商品 |
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価格と製品のバランスが非常に良い。普通に使っていれば、これは本当に100年はもつ。 |
価格 |
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総合して楽天のこちらの店が最安値だった。他にもいろいろ買ったので、こんなに重いのに送料無料で非常に得した感じ。 |
満足度 |
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焼いた肉の味がびっくりするぐらい変わる。これは本当にびっくりした。 |
その他 |
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総合的にこれは買い。今までなんとなく使っていた中華鍋がただ大きいだけのフライパンと感じるようになってしまった。重いのがだいじょうぶなら、悪い点が見当たらない。 |
備考 |
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コンロにのせて最大火力で熱する。
煙が立ち登ったら「このグリルパン アツアツですよ~」のサイン。
アツアツサインの時点で取っ手を素手で触るのは不可能に。
このような場合、乾いた布を使用して取っ手を持つのがコツ。
塗れた布だと熱が伝わってしまい熱くて持てないのでご注意を。
BBQ風にするために、まずは分厚い玉ねぎから。
こんなに分厚くても焼けるだろうか?
ジョワアアアアアアアアッと
焼ける音がすごい
1分ちょっとでひっくり返してみたら
憧れの焼き目とご対面。
2分で両面が焼きあがった。早い。
続いてソフターした肉を焼いてみる
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焼き目こんがり&BBQの香りがわきたつ
煙にいぶされてジュージューと肉を焼いていると気分はまるでスポンジボブ。
分厚いステーキはまだか!?スポンジボブ!!
なんてカーニ店長の声が聞こえてくる。
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あっけなく焼き上がり、食べてみて びっくり!!味がフライパンで焼いたものと全く違う。本当にぜんっぜん違う!
今まで食べていたものは「サンダルの底だった」と思えてしまうほどの出来の良さ。
元調理師の、嫁さんに食べさせてみると、どうやらこのグリルパンが、火の通し方を最適にしてくれてるようで、ただ焼いただけで肉の旨味を閉じ込めているとか。溝の間に落ちた肉汁や油の蒸発したものでの燻煙効果のようなもので香り付けもされ、赤身の肉にほんのりと甘みを感じる抜群の、出来上がりに。
今度BBQやキャンプの時には、これを持って行って他の人にも食べさせてみ~よおっと。
ところでTVで見たあのシェフ・・・謙遜じゃなくて本当に”道具”で おいしい物を作っていたんだね。
~今回の調理方法~
1:あまり分厚くない300gの赤み主体の牛肉を用意し、肉自体が常温になるように早めにお皿に出しておく
2:ミートソフターで万遍なく全体の筋切りを行う。この時点で肉がつぶされて厚みが1cmぐらいだとベスト
3:グリルパンに牛脂を塗ってアツアツになるまで熱する
4:煙が立ち上り始めたら片面を1分30秒焼く
5:ひっくり返して1分30秒焼く
6:塩をふって おしまい
10枚ほど焼き方を試してみて、上記の方法が安定しておいしかった。
肉は火の通し方で、柔らかさが全く違ってくるので、好みの状態で食べるには少し工夫が必要。
Written by Fuse